Canada Blog / カナダブログ

カナダ留学と移住についての日記

同性婚を否定する日本

 日本のニュースで時々話題になる同性婚。首相がご自身の想いを述べられました、「私は同性婚を認めない」という趣旨の発言。LGBTQの人たちの人権を認める事ってそんなに難しいことなんでしょうか?

総理大臣の発言

 岸田氏は2023年2月1日、同性婚に関し否定的な考えを改めて示した。同性カップルに結婚の自由を認めようとしない理由について「家族観や価値観社会が変わってしまう課題だ」と強調した。(Yahooニュース引用)

世界の現状

 現時点で法的に同性婚やパートナーシップが認可されている国や地域は33か国に上ります。もちろん日本の名前はそのリストに入っていません。欧米や台湾などの先進国をはじめアフリカ大陸の国も同性婚を認めています。

emajapan.org

 

LGBTの存在感

 日本EMAによると世界の20%の国や地域で同性婚やパートナーシップが法的に認可されているそうです。また上記の国や地域が世界のGDPで占める割合や人口は以下の通りです。

 

 GDPや人口に占める割合が大きいのは欧米や台湾などの多くの先進国が含まれているためです。もちろん日本が含まれるはずはありません。これだけのデータを見てもいかにLGBTの人々が世界で存在感が大きく、岸田氏のように否定できない存在か理解できますよね。同性婚を法的に認可した国では、LGBT関連の市場で多くの新規雇用と利益の創出で経済に貢献しているのです。新しい家族が誕生する経緯は異性婚と同じなのです。

日本政府がLGBTを拒否する理由

日本には保守層と呼ばれる世代、考え方の人たちが多く住んでいます。何も変えたくない、自分たちが正しい、変化を嫌う、自分さえ良ければいい、などと現状維持に満足し、自身の周りで相反する変化が生じると全てを拒絶する。自分と違う考え方を受け入れず、それは間違いだと断言さえするのです。これは世代間の差も大きく、60歳以上と20~50歳では考え方に大きな違いがあるのも事実です。年齢が若くなるほど寛容になり、年齢が上がるほど異物を拒絶します。

ドラッグクイーンとの交流

 私が住んでいるカナダでは2005年に同性婚を法的に認め、LGBTが市民権を得て異性愛者と同等の権利を有しています。LGBTが社会に与える影響も大きく取り上げられています。最近ではドラッグクイーンが児童と交流をし多様性の教育をしています。親御さんはインタビューで「多様性に早くから触れることは素晴らしい」と述べ、ドラッグクイーンも誇りと責任感を持って対応しています。同じことが日本でできるでしょうか?私は不可能だと思います。なぜなら、人権や道徳について十分な教育を受けていないからです。特に老人と呼ばれる世代は。

 街中ではLGBTの象徴とされるレインボーフラッグがあちこちに飾られ、路面店では大手企業を含み、LGBTを歓迎するとのメッセージが書かれています。これが普通なんです。特にプライドパレードが開催される時期はその盛り上がりはすごく、トルドー首相がパレードに参加して一緒に歩かれ、地域住民と積極的に交流をされます。私が初めてその光景を見た時は、これが先進国なんだな心から思ったと同時に、言葉では説明できない衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。

少子化対策と生産性の有無

 岸田氏と同じ自民党の杉田水脈氏が「同性愛者は生産性が無い」と断言しました。つまり子供を授かれないから、少子化対策にならないと。確かに異性愛者で経済、身体などの問題が何もなければ子供を授かることはできます。これは男女間でしか成しえないことであり、生殖機能だけに焦点を当てれば生産性があると言えます。

 しかし、この世に生まれてきた新しい命がすべて幸せな人生を歩みますか?あなたやあなたの周囲はどうでしょう?日本には様々な理由で子育てができない、または拒否をする親が多く存在するのです。経済的な理由や、子供を養う資格が無い未熟な親など様々な形で子供は虐待を受けており、悲しいことに虐待の件数はすべて表面化していません。また、両親の浮気や離婚、家庭内暴力や子供に対する性的虐待などによる家庭崩壊などが日常茶飯事です。子供には一切の罪はありません。これらの惨状はすべて異性愛者の親の責任であり、子供を産む機能しか考えていない自民党は現実を何もわかっていません。少子化対策と同性婚問題は根本的に違う分野なのです。

続く