Canada Blog / カナダブログ

カナダ留学と移住についての日記

人権を認める

 

 前回、同性婚について書かせて頂いたのですが、あまりにも長文になってしまったので、今回は後半をお届けしたいと思います。

里子の実情(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000148755.pdf

 里親や各種養護施設で育てられている児童数は約42,000人いるそうです。親の勝手でこの世に誕生し、その後本当の親からの愛情が注がれない人生を強制される。子供に責任はありません。その逆も然りです。金銭的にも裕福な家庭に産まれた子供達が、一概に幸せであるとは言えません。父親または母親の一方が育児に参加せず、両親から十分な愛情が注がれない。両親の仕事が原因で社会で疎外されたり、幼少期にイジメにあったりするケースもあり、その子の人格形成や人生に大きな影響が出るのは当然です。自民党は、このような現状から目を背け、異性愛者が構成する社会だけが正しいと考えています。

子供を取り巻く現実

厚生労働省 令和3年度の児童虐待相談対応件数を公表 | 全国ネットのお知らせ・活動 | オレンジリボン運動 - 子ども虐待防止

  2022年の表面化した虐待件数は20万7700件です。

  • 心理的虐待124,722件(全体の60.1%)
  • 身体的虐待49,238件(23.7%)
  • ネグレクト31,452件(15.1%)
  • 性的虐待2,247件(1.1%)

 上記の件数は表面化された件数であって氷山の一角です。本当にすべての虐待件数が数値化されたら何倍の件数でしょうか?100万件超えるでしょうね。現在の経済状況で人口だけを増やす政策を強制すれば、日本は自民党に滅ぼされます、確実に。日本には実親が養育できない、ないしはすべきではない子どもが、4万人弱いるといわれています。その約8割が児童養護施設などの施設で暮らしています。何の責任もない子どもたちが、大人の都合で基本的人権すら侵害されている。

news.yahoo.co.jp

LGBTと家族のあり方

 私の周りにはLGBTで子供を持つ家庭がいくつか存在します。最初に聞いた時は正直違和感がありました。なぜなら日本は人権や道徳教育途上国で、私はLGBTや性教育を受けたことがないからです。しかし、彼らはごく普通に何の違和感も無く自然に家族を持ち、幸せな家庭を築いています。LGBTであるがゆえに、一般社会に溶け込む努力をし、周囲が自分達を受け入れてくれることへの感謝をしています。これは、幼少期から両親の愛情を受け、他人を受け入れる道徳教育を受けてきた結果だと思います。LGBTの家庭では、両親の職業は社会的に地位が高く経済的にも恵まれいます。彼らは家族で過ごす時間を重視し、仕事と家庭のバランスが取れた生活を楽しんでいるようです。先ほどの里子問題。LGBTは子供が持てないからこそ養子縁組で恵まれない里子を本当の子供として受け入れているのです。

社会から目を背ける自民党

 岸田氏=自民党は同性婚を否定しました。私の個人的な考えですが、支持率も最低を更新する中で、同性婚を認めるとによる保守層からの反発を恐れているのだと思います。保守に嫌われると選挙での票集めに甚大な影響が出て当選できず失職する。一方では岸田氏本人が同性愛者を生理的に受け入れたくないのだと思います。こんな政党が長年実権を握っているから、日本はいつまでたっても後進国のままなんでしょうね。この姿勢は台湾を除く東アジアの隣国と全く同じです。独裁政権ですね。

社会教育

 私が移住したカナダは同性婚が2005年に法的に認められ18年経過しました。街には同性同士で手をつないで歩いたり、公園で子供と過ごす同性カップルの姿が自然に目に映ります。しかし間違えてはいけないのは、全員がLGBTを認めていないということ。ただ、ここで日本との違いは、反対勢力を含む全員が両親や学校、コミュニティーで他人を理解しようとする道徳教育を普通に受けてきたからこそ、LGBTを受け入れる土壌ができたのだと思います。

 カナダの人権教育レベルは日本が太刀打ちできるものではありません。満場一致でLGBTQを受け入れているのではなく、少しづづ日々、お互いを理解しようとする努力と、幼少期から育まれる素晴らしい人権・道徳教育の質の高さが、性的な意味合いだけでなく、本当の多様性のある社会を作るのだと思います。

変化に追随できない日本

 いつまでたってもタラレバの議論しかできない日本の国会議員。もし、例えば、万が一、とタラレバばかりを並べ100年の検討を要しても何も結論を出さない日本政府。失われた30年が50年、そして100年になるでしょう。生産性の無い老人主体の政治をするのではなく、若手と現役世代が中心となる政治をして欲しいものです。すでに世の中は、社会は変わっています。それに気づこうとしない、認めたくない自民党。同性婚を認める=人間としての人権を認めるという、すごくシンプルなことなのです。

 同性婚についての議論、本当に国会で審議されているのでしょうか?表面的なパフォーマンスだけで、議論をしている素振りのような気がします。同じアジアの台湾をに習って欲しいですね。