Canada Blog / カナダブログ

カナダ留学と移住についての日記

誇り高き日本語

  英語圏で生活していると日本語(母国語)ついて考えさせられます。例えば日本のニュースをWebで見ると、意味も無くカタカナ英語を表記したり、しかも英語とは程遠い日本語の発音(カタカナ表記)で。海外在住だからこそ、長所も短所も含めて自国の文化を客観的に見ることができます。

変な習性

 小学生で学習したカタカナ。当時は深く考えずに学んでいましたが、中学生で英語を学んだ時に、カタカナの利便性について認識しました。欧米起源で日本語には存在しない言葉を日本語で表記・発音する時に主に使われるカタカナ。ペン、ケーキ、フライパンなど、私達の生活には欠かせない言葉です。しかし、総理大臣が国会と言う場で発言した「リスキリング」。某芸能人の日産車を無料で修理した「レストア」などの英語をカタカナで敢えて表現する必要があるのでしょうか?

 日本人は新しいカタカナ英語を勝手に作り、特にビジネスマンが人前で好んで使うことを好みます。新しい言葉を使い人々の関心を引くために。「俺は新しい言葉を知っている」、根拠もなく「海外では普通だよ」、「ニュースで聞いたから」と新しいカタカナを自分の脳内に移植しようとする。私達には素晴らしい日本語があるのに。一方で、数年前ですが私は「カタカナで表現した方がカッコいい」「日本語に比べて柔らかい印象になる」と聞いたことがあります。見た目で、個人の印象で母国語を粗末に扱うのはいかがなものでしょう、やはり疑問が残ります。

同じ国民

 年代によって使う言葉が変わってくるのは仕方ないとしても、それを敢えて外国語で自文化を侵略する必要は不必要だと思います。海外でも年代毎に使う表現は変わりますが、根幹となる言葉(母国語)は不変です。例えば、同じ英語を使いながら新しい表現や若者言葉が生まれます。新語が生まれても英語という土台は同じなので、老若男女関係なく会話ができるし、全く意味が通じないことは本当に少ないです。また、海外のスーパーでTONKATSU、TOFUやEDAMAMEの表記を見かけます。これらは、外国語には存在しない言葉なので、日本語からアルファベットに言い換えた、これもいわゆるカタカナ英語として、彼らの生活に浸透しています。

 つまり、日本語にも英語にもある言葉を欧米人は「絶対に」日本語で表現しません。その必要性がないからです。彼らは自分達の生い立ちや文化に誇りを持てるような素晴らしい教育を両親や学校で受けているからです。                             

  • リスキリング=(広義で)勉強するという意味。
  • レストア=修理という意味。発音は英米ともにリストア。

 上記の言葉をカタカナで表現する必要性を感じますか?日本語と英語のどちらが年代問わず通じやすい言葉だと思いますか?老若男女問わずもちろん日本語です。どうしてもカタカナ英語を使いたい、新しい言葉を作りたいというなら、私は全て英語で話して欲しいと思います。意味の分からないカタカナ英語を日本語の文中に置き去りにされてしまうと、その文章を読むときに違和感というか気持ち悪さを感じます。日本語で話せばいいのにと思うことがよくあります。日本語を使うことがカッコ悪いと思っているのでしょうか?

新聞に感動

 今でも鮮明に覚えています。移住先で本物の英字新聞を手に取った時は興奮しました。すべてが英語で記載されていて、どこにも日本語が存在しない。また、移民を受け入れている国では複数の言語による新聞が発行されているので、図書館に行けば日本の大手新聞はもちろん、世界の新聞を閲覧できます。中国語の新聞も同じように感動しました。漢字だけで構成される中国語は、それを紙面で見ると芸術というか美しさを見出しました。漢字、ひらがなとカタカナの三つの文字で構成される日本語は、世界でも複雑な言語として認識されている一方、日本語の持つ美しさや高い表現性なども外国人を魅了する要因の一つなんです。

誇り高き日本文化

 自国の文化を尊敬し、誇りを持つことで、この先も日本は世界で存在価値を高めて、世界をけん引し魅了し続けることがアジアの先進国として日本には必要です。今回は日本文化の言語の部分に焦点を当ててみましたが、食文化でもお笑いでもアニメでもなんでもいいのです、日本には世界に誇る素晴らしいものがたくさんあります。少し話がそれましたが、自分達の起源や文化を理解することは非常に重要で、これからさらに厳しさを増す国際社会において、私たちが日本人であることに誇りをもって世界で活躍できればと思います。海外に住んでいると、欧米の友人達が日本文化を称賛してくれる事が本当にたくさんあります。無理に海外の横文字を私生活に輸入する必要はありません。

 今回は生意気にも日本語について持論を述べさせて頂きました。この話題は5年前くらいから個人的に感じてきた内容で、今回この場で述べさせて頂いたことに本当に感謝しています。海外に移住して気づかされた日本文化が持つ素晴らしさと可能性について、少しでも皆様に伝われば嬉しいです。

 最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。