Canada Blog / カナダブログ

カナダ留学と移住についての日記

留学のススメ

 昔と違いインターネットの普及で留学や移住をしなくても、パソコンやスマホ経由で海外の文化に間接的に触れ合うことができるようになりました。しかし私がなぜ会社を辞めてまで留学をしたのかについてお話をさせて頂きます。

留学意欲

 私は大学を卒業して25歳前後で海外留学したいと思いました。きっかけは友人がオーストラリアへ一年間語学留学したのを機に、自分も何となく海外で語学の勉強や、最低一年間の長期滞在してみたいという願望を持っていたのです。しかし、費用を見積もっても一年で最低300万円。留学してすぐに仕事が見つかるとは思っていなかったので、働かずに暮らすには300万円以上と漠然と考えてました。少ない給料から留学費用を工面しようと貯蓄を始めたのですが、一人暮らしをしていたので、費用を準備するのに数年必要、その結果留学意欲も下がり、仕事に翻弄されながら長い月日が経過したのです。

初海外

 学生時代に海外旅行を経験した事が無い私は、社会人になってもその機会が長くありませんでした。そこで大きな転機となったのがPeach航空などのLCCの登場です。アジア圏中心の航路でしたが、海外未経験の私にとっては初海外への扉を開けたのです。台湾、韓国、グアム、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィリピン、香港など、一人海外旅行ブームが始まりました。会社でも「また海外に行くんですか?」と毎月言われましたが、全く気になりませんでした。社会人になって初めて没頭できた時間で、全力で自分の時間を楽しむことができたのです。

 当時は片道100円で海外に行けた時代なので、その恩恵を最大限に生かせていたと思います。毎月LCC各社のセールを利用して行き先を決め、バックパックと少しの現金を持って純粋に海外を楽しみました。まともに英語を話す事もできなかったので、その分色んな恥ずかしい失敗もしましたけど、今となっては良い思い出です。

留学への想い

 海外へ何度も行く内に、忘れていた昔の感覚を思い出します。若い時に一瞬考えた留学をしたいと本気で思うようになったのです。若い時に留学を諦めた理由はその費用でしたが、今なら留学に行けると思いました。時を遡り、当時は昔のような欧米豪一辺倒の留学ではなく、アジアのフィリピンが留学先として台頭してきたのです。日本からの距離、欧米に比べて安い費用、フレンドリーなフィリピン人の性格などが私の留学を決断させたのです。ネットと留学エージェントの両方から情報をかき集め、留学プランを早々に決め、勤務先に辞表を提出しました。

 上司からは留学を反対されました。お前ができるわけない、年齢的に遅すぎると。私も逆の立場なら同じ考えだったかも知れません。なぜなら、自分が留学をした経験が無かったので、判断材料が無く、ある意味賭けというかゲームだったからです。すべての申し込みを終えて支払いも済ませ、あとは出発を待つのみ。ちなみにフィリピン留学の費用は学費、宿泊、食費を含んで確か5か月で100万円くらいだったと思います。この時、すでに40歳を超えていました。

フィリピン留学

 語学を自主的に勉強する楽しさ、英語を話せることで自分の成長を感じたり、広がる視野などの体験は、これからの人生を考えるには良いタイミングだったと思います。人生の後半をどのように過ごすかという青写真を描きました。5か月の留学を終えて、それなりの英語の成長はあったものの、たった数ヶ月の留学で英語を流暢に話す事は不可能です。自分の能力は自分が一番理解しています。結果的に、これだと遊びの留学になってしまい、年齢的にも日本へ帰国してからの再就職が厳しいと痛感しました。もう少し長期計画で人生を再構築しようと、更なる修行の場所として選んだのが現在の移住先となったカナダです。フィリピンでの経験が土台となったのは言うまでもありません。

カナダ留学

 フィリピンの英語とカナダの英語は見た目は同じですが、文化的に内容は異なります。同じ英語を話す国民ですが、フィリピンの英語は第二言語、カナダの英語は母国語なのです。つまり、英語の表現、話すスピード、発音、使う語彙などが双方に異なり、カナダの空港の入国審査で初めて本物の英語に触れ、その速さと発音に圧倒されました。同じ英語なのですが、全てが違う言語のように感じたカナダの初日。

 そこからは一年間必死に勉強して、何とか卒業できるように頑張りました。カナダでの英語の勉強は授業内容が多岐に渡り、課題が多く、入学当初は授業中に頭の中が真っ白になったことも多々ありました。何度も諦めそうになりましたが、頑張って勉強を続けると突然、英語を理解できる日がやってきます。今では永住権を取得してカナダに住んでいます。今でも英語の勉強を目標を持って続けています。その目標に到達したら、次は違う言語の勉強を始めてみたいと思います。学びを通じて自分の成長を実感できるのが嬉しいです。

留学のススメ

 留学するのは簡単ではないし、多額の費用が必要です。冒頭でお話した通り、語学の勉強は日本国内で十分に行う環境が揃っています。しかし、私が皆さんに留学をおススメするのは、参考書に載っていない生の言語や文化を実体験して欲しいからです。対面で外国人と英語で話す、異文化で生活をすると参考書には載っていない経験が必ずできます。その分、たくさん失敗もしますし恥もかきます。テストの点数だけを上げたいなら留学は必要ないでしょう。しかし、本当の言語を学びたいと考えるなら、何歳からでも遅くないので留学をお勧めします。長期が難しければ短期でも十分です。自発的に頑張って勉強をすれば、テストの点数だけではない、何かしら得られるものがあります。人生は一度だけです、諦めないで。