
カナダに移住してから相当の年月が流れ、今では物事の考え方はカナダを基本としたものに変わりつつあるようです。これまですべてに対して、私は日本人だからと傍観者の立場でしたが、隣国の大統領の言動を見ていると、心の中に変化が生じているような気がします。
海外在住の邦人
移住当初は日本人としてカナダ国内で問題が起きてもずっと傍観者の立場でした。肌、パスポート、瞳、髪などのすべてが日本人の色だからです。そのことに対しては海外在住の邦人として真っ当な考え方だと思っていました。すべてのバックグラウンドが異なるのだから、カナダの問題に対して本気で自分事のように捉えられないのは仕方ないと。
時間が流れるにつれてカナダという国について、様々な角度から学んでいくことになります。フランスやイギリスの植民地時代、先住民と侵略者、移民国家、食べ物など、上手く表現はできませんが、カナダという国に対して自分なりに理解を始めたのだと思います。表面的に知らてれいる観光客向けのカナダとは違う、真正面から見たカナダと言う国の姿です。そこにはカナダ国民の様々な意見が交錯しています。
アメリカという隣国
2025年に入りアメリカではトランプ政権が誕生しました。皆さんご周知の通り、トランプ大統領は返り咲き当選を果たしたアメリカ史上2人目の大統領です。前期は日本の故安部首相との関係性も重なり、表面的には日米の有効な外交関係が構築されていて、かつ、世界市場でリーダーシップを発揮した素晴らしい大統領だとフィルター越しに見ていたのを思い出します。私のカナダ人家族からトランプ政権について質問をされても、前トランプ政権には肯定的な意見を持っていました。しかし、時間が流れてカナダへの理解が深まると同時に、私の考えはカナダ人よりの考え方に傾倒していきました。
アメリカ発3.04事件
現トランプ政権は北米においてカナダとメキシコに25%の関税を課すと表明し、3月4日から実施されます。原油、自動車(部品)、コンピューター機器、貨物トラック、石油精製製品、電池などが課税対象です。外交上関税戦略は時として有効ですが、今回はこれまでと趣旨が異なります。何故関税を発動するのか?
カナダやメキシコ経由でアメリカに大量の不法移民や違法ドラッグ(フェンタニル)が持ち込まれている。アメリカはこれを国家の緊急事態とし、流入に十分な対処をしてカナダとメキシコに対し是正を促す目的で関税を発動すると表明しています。これが事実なら仕方がないと思いますが、トランプ氏の発言は本当に虚言が多いのです。
例えば、違法ドラッグがカナダからアメリカへの流入はゼロではありませんが、実際には話にならないくらい微量です。2024年の実績で
- 総量 21,889 pounds = 9929 kg
- カナダ経由 43 pounds = 19.5 kg 0.2%
- メキシコ経由 21,148 pounds = 9592 kg 96.6%
日本への違法ドラッグの密輸より遥かに少ない量だと言えます。
違法移民についてはカナダには全く関係のない内容です。南部のメキシコ側の国境を越境(陸路)する違法移民が殆どだからです。カナダ政府は違法越境者の取り締まりに厳しい態度で挑んでいます。
国民の団結と愛国心
25%関税の発動を受けて、カナダ国内では米国製品の不買運動が広がっています。特にスーパーでは棚の値段表記の横にカナダの国旗マークを付けて国産を消費者に宣伝したり、BC州の酒屋の棚からはアメリカ産の酒類が一斉撤去されます。私も少なからず、食料品の買い物時には特に原産国を注視して購入しています。カナダ国産品の値段が高い場合があったとしても、アメリカ産の商品は絶対に買いたくないのです。法律やルールを順守する日本人としてはトランプ氏の発言と妄想には辟易なのです。根拠のない妄想でアメリカファーストを確立しようとするトランプ政権は、なぜ自国が貧弱なのか真剣に考えなければいけません。アメリカが弱いから敢えてアメリカファーストと言わないといけないのです。
生きている以上場合によっては、私たちは自分たちの強い意志を明確に表現する必要があると思います。私はもう傍観するのはやめようと思います。生きていく上での個々の思想は自由です。しかし、カナダのために日本人として自分の思いを表現して生きていくのは素晴らしいと思えるようになりました。
今回は政治的な内容を含むので公開することを迷いましたが、今年に入ってからの自分にとっての大きな変化を感じたので率直な意見を書いてみました。
最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。